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映画評「Death Note/デスノート」ついにハリウッド版が実現|あらすじ・感想・日本版との違いなど

2017年8月26日 9時30分 参照回数:

 近年「ドラゴンボール」を初めとした日本の漫画を原作としたハリウッド実写映画が度々製作されているが、ここにまた新たな作品が加わった。「デスノート」だ。

 日本でもすでに何度も実写化されており、もはや言わずと知れた大場つぐみ、小畑健原作の同名漫画。名前を書かれた人間は死ぬ・・・デスノートを手にした青年・夜神月=キラが死神リュークよりそのノートを受け取り、法で裁けない凶悪な犯罪者たちに裁きを下していくサスペンス・スリラー。キラと相対する名探偵Lの個性的な出で立ちや独特な捜査方法も目を引く一作だ。

ハリウッド版「デスノート」

 そんな「デスノート」は世界的にも特に人気の高い漫画の一つで、ハリウッド化への動きは、実は2010年ごろからすでに存在していた。

 当時、人気絶頂だった若手俳優のザック・エフロンを主演に迎え製作開始という情報が流れ、ファンをヤキモキさせたが、結局、企画は頓挫。その後、数年間ハリウッド化の動きは途絶えたままだった。

 ところが動画配信サービスとして大成功を収めるNetflixが再びハリウッド版「デスノート」の企画を復活させ、製作を開始したのだ。

 しかも製作には「HEROES」の“ヤッター”で一世を風靡したマシ・オカが名を連ねるということもあり、原作をよく知る日本人のDNAがきちんと入ったハリウッド版として日本を初めアメリカでも大いに期待を持たれていた。そのハリウッド版「デスノート」が、ついに配信開始となったのだ。

ハリウッド版「Death Note/デスノート」のあらすじ

 本作の大まかなストーリーは日本人にとってはもはや周知の事実だとは思うが、本筋となるストーリーは同じでも横で展開されるストーリーやその背景などに若干の違いを感じたため、改めて記しておきたいと思う。

 高校生のライト・ターナーは正義感が強く、いじめを見過ごせない青年である。雨が降りしきるある日のこと、彼は空から舞い落ちる一冊のノートを手にする。宿題を代行していたことがバレ、居残りを食らってしまった彼はひょんなことからノートを開いてみると、そこには長々と“死のノート”に関するルールが綴られていた。

 そして、ノートの所有者となってしまったライトは、死神リュークの存在も同時に知ることになる。この世の物とは思えない異形の怪物に最初は戸惑うライトだが、彼に言われるがままにノートにいじめっ子の名前と死因を書き記す。次の瞬間・・・この出来事が現実だと知ったライトは、凶悪な犯罪者たちを次々と殺害。

 日本語で“殺し屋”の意味である“キラ”と名乗り、制裁を下していく彼の前に“L”と呼ばれる名探偵が姿を現したことから、彼の順調な日々は失われ始める・・・。

日本とは違うアメリカを舞台にした大胆な「デスノート」

 本作で最も目を引く部分は、やはり舞台がアメリカだというところ。日本とアメリカとでは一概に高校生と言っても、全く違う生活を繰り広げている。そういったことが大きく要因し、若干軽いタッチの描写が際立っているように思う。

 それはライトが自らの正体をすぐさま意中の女子に打ち明ける場面であったり、クライマックスがダンスシーンを舞台としているところ、さらには何もかもが大掛かりで大規模なものへと発展していく様は、日本版の実写作品の心理描写を中心とした映像とはまるで違うものになっているのだ。

 ただ、それでも死神リュークのフォルムなど全体を通してホラー要素強めに描き、大胆なグロ・ゴア描写を織り交ぜることにより、これはこれでれっきとしたアメリカ版の「デスノート」に仕上がっているようには思う。

アダム・ウィンガード監督の映像表現の魅力が存分に発揮

 監督を務めたアダム・ウィンガードは全米を震撼させたスタイリッシュ・スリラー「サプライズ」や「ザ・ゲスト」、1999年の傑作ホラー「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の正当な続編「ブレア・ウィッチ」を監督した新進気鋭の映画監督で、そのスタイリッシュでスリリングな映像表現に定評があり、その魅力が存分に発揮された映像も繰り広げられる。他の日本の作品を原作としたハリウッド映画に比べると忠実に再現してくれている作品でもあるし、全くもって受け入れられない作品というわけでもない。

 なので全体的な評価を下すとすれば及第点ほどであり、難なく普通に楽しめる映画だったというわけだ。

 一つだけ言わせてもらえるなら、“デスノート”に関するオリジナルのルールを蔑ろにし過ぎていて、ファンにとっては少し当惑する部分がある。これだけは終始『?』が灯る次第であった。

斬新でフレッシュなキャスティング

 キャストに関しては全米で驚異的な支持を集めた青春ドラマ映画「きっと、星のせいじゃない。」のナット・ウルフをライト役に迎え、2015年の傑作「ストレイト・アウタ・コンプトン」のキース・スタンフィールドをL役に抜擢するなど、斬新でフレッシュなキャスティングが功を奏している印象も強く、死神リューク役には「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリン役や「処刑人」のスメッカー役などで知られる個性派俳優のウィレム・デフォーを起用し、脇を固める出演者も実力派揃い。

 デフォーに関してはもはや日本にいたリュークがそのままアメリカに行ったかのような印象を受けるほどにそのままである。

 日本が世界に誇る漫画「デスノート」。そのリアリティ溢れるストーリーはアメリカを舞台としていても違和感なく楽しめる。「デスノート」の持つ可能性を存分に感じさせる結果をこのハリウッド版は示している。

(文=Sunset Boulevard Twitter:https://twitter.com/sunsetblvdmovie







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