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映画評「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」、同作で幕が開ける“ダーク・ユニバース”とは?|あらすじ他

2017年8月14日 18時20分 参照回数:

映画「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」
監督:アレックス・カーツマン
製作:2017年=アメリカ


 「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン」「透明人間」・・・ハリウッドの映画スタジオ・ユニバーサルが製作した名作ホラー映画たちのことを人は“ユニバーサル・モンスター映画”と呼び、映画界におけるホラー映画というジャンルを切り開いた作品群として知られている。

 その中で、映画「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の基となっているのが、1932年の「ミイラ再生」である。なぜ今になって80年以上も前のホラー映画をリメイクしたのか? そこにはこれから始まる新たな“ユニバース”の秘密が隠されているのだ。

 今回は、その秘密を紐解きながら、「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の魅力にも迫っていこう。

ホラー映画の歴史が変わる? “ダーク・ユニバース”の幕開け

 前述の“ユニバーサル・モンスター映画”というのは映画だけに限らず多くの映像作家やクリエイターたちに多大な影響をもたらしてきた。人の生き血を吸うドラキュラ伯爵、フランケンシュタイン博士が作り上げた人造人間、死から蘇ったミイラなど、そのモンスターたちはただの怪物としてではなく、人間よりも人間らしく、苦悩と葛藤を秘めたキャラクターとして描写され、多くの映画ファンを虜にしてきた。

 それらのモンスターたちは時代と共に変貌を遂げてきており、ドラキュラは主にヴァンパイアと呼ばれるようになり、今や人間の少女と恋に落ちたりもする。死から蘇ると言えば、ミイラと言うよりもゾンビの印象も強いことだろう。そんなモンスターたちが再び脚光を浴びようとしている。

 数々の名作を生んできたユニバーサル・スタジオが新たに“ダーク・ユニバース”と題し、様々なモンスター・ホラー映画を同じ世界観で描き出そうというのだ。

 複数の作品が世界観を共有していると言えば、近年はMARVEL Cinematic Universe、いわゆる「アベンジャーズ」シリーズやDC Extended Universeと言われるDCコミック原作作品など、アメコミ映画で多く取り入れられ、世界的な大成功を手にしている印象だが、ユニバーサルが誇るモンスターたちも“ダーク・ユニバース”という一つの世界に集い、それぞれのストーリーが交錯するようになるということだ。

 その記念すべき幕開けを飾ったのが、この「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」なのである。

「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」のあらすじ

 文明発祥の地であるメソポタミア、現代のイラクで米軍関係者のニック・モートンは盗んだ地図を頼りに古代より眠るお宝を目指していた。相棒のヴェイルと共に交戦地帯に足を踏み入れた彼らは、銃弾が霰のように飛び交う中、ついに謎の巨大空洞を見つけ出す。

 そこに眠っていたのは5000年前に古代エジプトで封印された邪悪な王女アマネットが眠る棺であった。この棺を掘り出してしまったニックとヴェイル、そして考古学者のジェニーは、飛行機で棺を輸送する最中に大量のカラスに襲われてしまう。自らの命を犠牲にし、ジェニーを助けたニックだったが、とある“呪われた力”が働き、なんと、生還してしまう。

 何が起きたのか理解できないニックであったが、そこにはアマネットによる恐るべき呪いと秘密が隠されているのだった・・・。

「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の感想

 1932年の「ミイラ再生」は、過去に一度だけリメイクされたことがあり、1999年の「ハムナプトラ」として知られている。

 そちらの作品はゴリゴリのアドベンチャー映画で、どちらかと言えばファミリー要素の強い作品であった。が、今回新たにリメイクされた「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」は、往年のホラー要素に重きを置いている印象が強い。

 確かに軸となっているのは呪いを解こうと奔走するアドベンチャーで、爆発に次ぐ爆発の大迫力のアクションシーンが目玉ではあるが、やはりこれからユニバーサルが誇るモンスターたちを次々と映像化していこうとする思いから、不気味で怪しげな世界観が大いに広がっている。

 また同時にコメディ要素にも充実しており、シリアスでダークな世界が広がりながらも、どこか箸休め的な役割も果たしていることから、娯楽性も高いように感じた次第だ。

 ただ強いて難点を挙げるとすれば、今後の世界観を広げるために最初に位置付けられた作品であるため、まだまだ話の本筋が見えてこない部分がある。

 本作単体で楽しもうとすると、若干の置いてけぼりを食らってしまうのが、少々残念に感じた部分である。

スター トム・クルーズ、ソフィア・ブテラ、ジェイク・ジョンソンら出演者にも注目

 主演を務めるのは、ハリウッドNO.1スター トム・クルーズ。

 やはりトム・クルーズはすごいと思わせるほどの抜群のアクションと小気味いい演技を魅せ、ひたすらに彼を見ているだけでも楽しめる。

 御年55歳になるとは思えないほどに若々しく、相変わらずの爽やかさで、画面狭しと駆け回ってくれる。

 また本作のキャストの中で特に注目してもらいたいのが、悪役の王女アマネットを演じるソフィア・ブテラだ。

 異色のスパイ・アクション「キングスマン」や大ヒットSF「スター・トレック BEYOND」などで知られる新進女優だが、近年のハリウッドにおいてもその存在感はかなり個性的で、なぜか惹きつけられずにはいられない魅力がある女優。本作でも狂気的な表情や禍々しいオーラを放っているのだが、なぜか彼女に一番魅力を感じてしまう。その演技や独特な存在感、本当に面白い女優である。

 そして忘れてはならないキャストがもう一人。ニックの相棒ヴェイルを演じる、ジェイク・ジョンソンだ。元々、海外ドラマ「New Girl 〜ダサかわ女子と三銃士」などでコメディ演技を得意としている俳優なのだが、本作でもその魅力を遺憾なく発揮している。

 特にトム・クルーズと魅せる絶妙な掛け合いは爆笑必至である。

 今後の作品においてまとめ役を果たすと思われるヘンリー・ジキル役には名優ラッセル・クロウ、ヒロインのジェニー役にはアナベル・ウォーリス、ニックたちの上官役として昨年のエミー賞でも話題を振りまいたコートニー・B・ヴァンスが出演しているなど、脇を固めるキャストも素晴らしい。

 トム・クルーズ主演最新作ということもあり、ポップコーン片手に楽しめる、最高のエンターテイメント映画!

 どこか懐かしさも感じさせる作品であり、冒険心を失くしてしまった人たちに楽しんでもらいたい。この夏、映画館で冒険の旅に出よう!

(文=Sunset Boulevard Twitter:https://twitter.com/sunsetblvdmovie))




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